イーバイクのモーターの部分って各社違うのよね?
うん。ドライブユニットのことだね。確かに各社違うね。
違いがいまいちわからないのよね。
日本のサイトだと情報が少なくて比較がしにくいよね。まあ、乗ってみるのが一番なんだけど、、、。
車のエンジンみたいに簡単に比較できるといいわ。また、乗れる環境にあればいいんだけど、そうでない人も多いと思うわ。
そうだね。できるだけ調査したものがあるので公開しましょう!
日本国内発売のイーバイク ドライブユニット比較
日本国内で発売されている「イーバイク(e-Bike)の電動アシストドライブユニットは、少しずつ種類が増えてきています。
そろそろスペックを比較していきましょう。
スペック記載の前提条件として、ドライブユニット名が同じなら、機械的に海外のユニット=日本のユニットで、制御仕様のみ異なっているという考えで、海外で公開している値も活用しています。(ですので、記載した性能がフルに活用できているかは不明です。)
それでは、早速一覧表をお見せします!
【日本国内のイーバイクドライブユニット主な仕様一覧】
(↑クリックすると拡大します。(PC用)、スマホはピンチアウトで)
<<<最大トルク、最大ケイデンスなどの意味を知りたい方はこちらへ>>>
試乗したことがある方は、上の一覧表を見て、数値と実際の乗り味やアシストのイメージが合うでしょうか?
電動アシストシステム全体(イーバイクシステム(e-Bike system))からの違いとして、
- アシストの味付け(マッピング)
- バッテリーなどその他部品の重さ
- トルクセンサーの反応速度
などでもかなり異なってきますし、それに加えて
- 自転車自体(フレーム、コンポーネント他)
の違いもあるので、本当にそれぞれ乗ってみると誰でも違いがわかるものです。
また、それぞれ違いはあるものの、
これはShimano(シマノ)系かな?BOSH(ボッシュ)系かな?
と系統がわかるのも面白いところではあります。(モーター音がドライブユニット毎に違うのも、わかりやすくしている要因の一つではあります。)
さて、試乗していない方もおられると思いますので、比較をしやすいように、上記一覧表の一番下の列に指標値を加えてみています。
トルクウェイトレシオ(g/Nm)
です。
トルクウェイトレシオ(Torque Weight Ratio)
なんだカタカナでわかりにくい!と思う方もおられるかもしれません。確かに名前は難しそうですが、そんなにたいそうなものではありません。
トルクウェイトレシオは、自動車ではエンジンの加速性能を見るためによく使われているのですが、重さを最大トルクで割ったものです。
最大トルクがいくら大きくても、すごく重ければ性能が良いとは言えないので、最大トルクと重さを一度に比較することができるように、このトルクウェイトレシオを使っています。
自動車などでは、kg/kgfmの単位が使われますが、数値が小さくなりすぎるので、今回の式のは、便宜上g/Nmにしています。
今回の式のトルクウェイトレシオは1Nmあたりの重さ(g)の単位を使っています。
1Nmの力を発生する機構として、その分のドライブユニットの重さが軽い方が性能が高いと言えます。
もし、いまいちわからなくても、トルクウェイトレシオが小さい方が性能は良いとご理解下さい。
そのトルクウェイトレシオの一覧表をグラフにしたものが下のチャートになります。
【ドライブユニット トルクウェイトレシオ】
トルクウェイトレシオだけで見ると、ランキングは下記になります。
☆☆☆1st ☆☆☆
「YAMAHA(ヤマハ)」【PW-X】
トルクウェイトレシオ(g/Nm) 38.75
☆☆2nd☆☆
「Shimano(シマノ)」【DU-E8000】
トルクウェイトレシオ(g/Nm) 41.14
☆3rd☆
「BAFANG (バーファン)」【M800】
トルクウェイトレシオ(g/Nm) 41.82
☆☆☆1st ☆☆☆
「YAMAHA(ヤマハ)」【PW-X】
「YAMAHA」【PW-X】は、現状国内ではe-MTBの『YPJ-XC』のみに搭載されているドライブユニットで、トルクウェイトレシオも一番小さく、最大ケイデンスも一番高く、まさにe-MTBに最適なドライブユニットと言ってよいでしょう。
「YAMAHA(ヤマハ)」【PW-X】搭載 e-MTB
「YAMAHA(ヤマハ)」『YPJ-XC』
(最新のネット通販の価格は、↑画像クリックして確認下さい。)
☆☆2nd☆☆
「Shimano(シマノ)」【DU-E8000】
「Shimano」『DU-E8000』は、e-MTB、e-Cross、e-Miniなど様々なe-bikeに搭載されています。ドライブユニットの重量は「YAMAHA」『PW-X』より軽いので、取りまわしの良さを考えると、こちらの方が優れているとも言え、甲乙つけがたいところです。
「Shimano(シマノ)」『DU-E8000』搭載 e-MTB、
「MIYATA(ミヤタ)」『RIDGE-RUNNER(リッジランナー)』
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「Shimano(シマノ)」『DU-E8000』搭載 e-Cross
「MIYATA(ミヤタ)」『CRUISE(クルーズ)』
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「Shimano(シマノ)」『DU-E8000』搭載 e-Small Wheel
「LOUIS GARNEAU(ルイガノ)」『Acent e-sports(アセント イースポーツ)』
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☆3rd☆
「BAFANG (バーファン)」【M800】
「BAFANG (バーファン)」【M800】は、今回調査した中では一番軽量なユニットでした。やはり軽量が重視されるであろうe-Roadの「ASAHI CYCLE(アサヒサイクル)」『evol-D700』に搭載予定です。
「BAFANG (バーファン)」【M800】搭載 e-Road
「ASAHI CYCLE(アサヒサイクル)」『evol-D700』
(詳細の情報は、↑画像クリックして公式ページを確認下さい。)
まとめ
国内のイーバイクに使われている電動アシストドライブユニット単体の性能を比較してみました。
電動アシストシステム全体(イーバイクシステム(e-Bike system))、自転車自体でも実際の走りは変わってきますので、今回の結果は参考にして頂きたいですが、くれぐれもこの数値のみでは判断しないようにして下さい。
今回データを記載できなかった「BESV(ベスビー)」のリアハブ電動アシストユニットは、トルクは大きくないものの構造的に軽量化できる傾向にあります。
数値は公表されていませんが、最小&最軽量クラスとうたっているので、こちらで紹介したように海外のe-Roadでも使われているユニットに近い数値と予測されます。
また、今回結果が良くなく見えているメーカーも、高性能のモデルを国内に投入していないだけだったり、開発中です。
ですので、タイミングが違えばまた違う結果となるでしょうから、今後も追いかけていきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!