バッテリーの容量をイメージしよう!
電動アシスト自転車のバッテリー容量の大きさは、16.0Ahなどの値で表されています。Ahは、”アンペアアワー”と読みます。
1Ah(アンペアアワー)は
「1時間に1A(アンペア)の電流を流せる電気の容量」
を表します。
A(アンペア)と間違って、なんで電流の値がバッテリー容量なんだろう?
と思っていた方も多いと思いますが、
Ahは電気の容量を表す単位なんですね。
イメージしやすいように、電気を蛇口から出る水で表現します。
下図のAとBでは同じ形状の蛇口から水が出ています。
この水を電気とみて下さい。
同じ蛇口なので、水の出方の”太さ”は同じです。
この”太さ”が電流A(アンペア)で電気の流れる量を表すとします。
この蛇口から1時間に16.0A(アンペア)の”太さ”で水が出せているなら、
16.0Ah(アンペアアワー)の電気の容量と言えるわけです。
下図のAとBでは、同じ太さなのでAとBは同じ16.0Ahの電気容量になります。
でも、なんか しっくりこない方もいると思います。
そうです。水の出方が同じ太さでも、”勢い”が違うこともあるんじゃないか?
というところです。
そうなんです。この”勢い”を表すのが電圧(V)となります。
やはり水の勢いで、水の溜まり方も違いますよね。
この”勢い”(電圧(V))で
”1時間に貯めれる水の容量”が電力量(Wh(ワットアワー))になります。
電力量(Wh(ワットアワー))=電気容量(Ah(アンペアアワー)×電圧(V(ボルト))
で表せます。
ですので、電動アシスト自転車のバッテリー容量のカタログの詳細部分を良く見ると、
25.2V ・16.0Ah
などと、アンペアアワー(Ah)だけでなく、電圧(V)も表記がされているんです。
バッテリーの容量(電力量)は、
バッテリーの容量(電力量)=貯めれる水の容量とするとイメージが沸きやすいと思います。
電力量(Wh(ワットアワー))=電気容量(Ah(アンペアアワー)×電圧(V(ボルト))
ですので、バッテリーの容量の記載は、本来はこの電力量(Wh(ワットアワー))が使われるべきなのかもしれません。
でも、バッテリー容量16.0Ahなどとカタログに大きく掲載されているのは、
Ahが電気の容量を表す単位ではあることと、
電動アシスト自転車のバッテリーが25.2Vや25.5Vでほぼ同じ電圧のものが主流だった
ので、電力量(Wh(ワットアワー))を使わなくても
Ah(アンペアアワー)の大きさで容量が簡単に比較ができた
ので、それが定着しているからと言えます。
ただ、最近は、ブリヂストンのデュアルドライブ、パナソニックのXM1などが、
36Vのバッテリー
を搭載し始めていますので、表記も変わってきているようです。
36V×8Ah=288Wh
とそのまま表記したり、
36V×8Ah=288Wh=25.2V×11Ah なので11Ah相当
など主流のバッテリーの電圧に合わせた表記も増えてきています。
カタログやWEBを見るときは、このように見ていただけたらと思います!
電力量(Wh(ワットアワー))=電気容量(Ah(アンペアアワー)×電圧(V(ボルト))
掛け算の単純な式なので、覚えてしまいましょう!
修正)Whをワット(正 ワットアワー)、Ahをアンペアワット(正 アンペアアワー)と記載ミスをしていた部分がありました。ご指摘頂いた方ありがとうございました。(計7箇所)
どれぐらいバッテリーの容量が必要?
さて、
ではみなさんが電動アシスト自転車を選ぶ時に、
どれぐらいのバッテリーの容量が必要なんでしょうか?
1. 充電の頻度
まず、ヤマハの調査から読み取ると,
およそ7割以上のお客様が
1週間に6km×5日=30km走行
となっており、
ほとんどの方(7割以上)が、1週間に6km×5日=30km走行以下
ということになると思います。
よって、12.0Ah相当のバッテリーを装着すれば、電動アシストの標準モードで各社50km以上は走れるので、充電は1週間に1回以下で済みます!
16.0Ahもあれば坂が多くても、 充電の頻度に悩むことは少なくなるでしょう。
2.何年ぐらいバッテリー持つの?
次に、どれだけバッテリーが持つかを考えます。
バッテリーは700~900回の充放電で約半減ということから、
12Ahのバッテリーを700回使った時に、
1回の充電につき アシストできる距離 が、50kmから25kmに落ちると想定します。
(実際はもっと曲線で落ちていきますが、簡易的に直線で落ちていくとします。)
すると、下図のように、
(50km/回+25km/回)×700回÷2=26,250km
の距離を一本の 12Ahバッテリーでアシストできることになります。(通常モードレベル)
1週間に30km走るという方なら、875週分(26,250km÷30km)走れます。
すると、1年間は52週なので、17年(875週÷52週)持つ!
ことになります。
さすがにそのままというわけにはいかないのですが、
どんなに劣化しやすい環境だったり、坂が多かったりなどの悪条件を想定しても、半分以下の
8年程度 は走れることになりますね。
8年立てば、技術も進み、魅力的な自転車も出ている可能性も高く、他のパーツも何度か交換している状態ですので、次の自転車を考えても良いのではないでしょうか?
よって、世間一般ほとんどの人(7割以上の方)がこの12.0Ah程度で足りると言えます。
また、7割から外れるであろう ダイエットの為の長距離走行などをする方はどうでしょうか?
すぐにバッテリーがへたってくると思われる方もいるかもしれません。
でも、実はそんなこともないんです。
長距離走行で慣れてくるとそれなりのスピードで走れることになります。
それなりというのは15km/h以上場合によっては、アシストがなくなる24km/hも超えるでしょう。
すると、この領域だとアシストが薄くかかる程度か、かからない状態になるので、
バッテリーからの電気の使用量が少なくて済みます。
この場合、カタログ記載値より一度の充電で走行できる距離が大幅に伸びます。
ですので、充電回数も減るので、すぐにへたってしまうこともないんです。
むしろ、バッテリーの容量アップによる重さの方がデメリットになってきます。
もし、バッテリー容量を使い切るぐらいの距離を数年で実走できたなら、
アシストがされない24km/h以上で走ることができる
ようになるでしょうし、
次のステップとしてロードバイクなどにも目がいくことになります。
ですので、気にせずどんどん使ってよいでしょう。
3.本当に大容量が必要になってくるのは?
本当に、大容量が必要な方というのは、
坂が多い地域の方、急な坂がある方、
バッテリーの寿命が落ちやすい寒い地域の方
となるでしょう。
また、今後さらに大容量が必要となるとしたら、
動力以外の高輝度ライト、スマホ充電、その他の快適機能
への電力供給ができるようになった時でしょう。
あともう一つあるとすれば、
パナソニック XM1(マウンテンバイク)のように
坂道を強力にアシストできるような高出力ユニットを、
一般の電動アシスト自転車に搭載するようになった時ではないでしょうか。
そうこうしているうちに、電池革命があるかもしれませんね、、、。
まとめ
現時点から大容量化の流れは一段落しそうです。
現在の最新のリチウム電池で、一般的な使われ方だと、
12Ahあれば実用で困ることはほとんど無く、
16Ah以上ないと困るという方は少ないと言えるでしょう。
もちろん、皆さんの走る環境による部分はどうしてもありますが、
ぜひ参考にしていただけたらと思います!