どんな種類があるの?
ブリジストンの電動アシスト子供乗せモデルは、2017年モデルでは4種類でしたが、下表のように、2018年モデルでは5種類になりました!
変わって良くなったところ、残念な部分も含めて各モデルをお伝えしていきましょう!
ビッケ グリ dd
2017年モデル ビッケ グリから、2018年モデルは、ビッケ グリdd(2018年10月より)となります。
グリは、「ママにもパパにもフィットする」というキャッチフレーズになっています。
ハンドル(ヘッドチューブ)からペダルからに向けて二本チューブ(ダウンチューブ)が平行に走っています。これは一般のママチャリのU字の1本のみのチューブ(ダウンチューブ)よりはるかに剛性が高くなるので、こぐ力をより伝えやすいフレームと言えます。
さらに、かわいさよりも、直線的でスッキリとしたデザインでパパも乗っても恥ずかしくない!という意図があると思われます。
実際、試乗会においても一番待ち時間が多いのがこのモデルでした。
ブリヂストン独自の提案が全て詰まっているからというのも理由にあるでしょう。
<ブリジストン独自の提案>
1.前の車輪が24インチ後ろが20インチ
前の車輪が大きいので段差に強く、後ろは小さく、荷台が低くなるので子供をのせやすいというタイヤサイズ構成。(ヤマハやパナソニックではない構成)
2.デュアルドライブ(回生充電)+カーボンベルト
バッテリー持ち時間の向上と坂道でのブレーキアシストかつメンテナンスフリーのチェーンにかわるカーボンベルト。(ヤマハやパナソニックではない構成)
<ビッケ グリ 2017年モデルと2018モデルの主な違い>
2018年モデルでは、2017年モデルより5,000円高くなり、重量も0.9kg重くなりましたが、バッテリー容量が大幅に増えましたのでこれが主な価格アップと重量アップの要因となっているでしょう。
そのほか、フロントバスケットの容量アップの機能性向上と、スイッチの電池容量数値表示(デジタル表示化)など概観上も改良が加えられています。
さて、試乗のレビューになりますが、試乗車は基本の設定に、フロントチャイルドシートが取り付けられていました。子供を二人を乗せてさらに、前にカゴもある構成となります。
残念なポイントとして、この構成だとこぐ時にフロントチャイルドシートにとにかく足に当たるので、”がにまた”でこがなければならなくなります。
すると、力がかけにくいので、電動アシストの力でこぎだしにふらつきをなくす利点が損なわれてしまっていました。慣れの部分もありますが、試乗の会場でも出だしの部分で安定していない方もおられました。
”がにまた”で力をかけにくいということは、パパがスタイリッシュに乗りこなすや、自転車のフレーム剛性が高いとかいうレベルではなくなってしまうことになります。
よって、このモデルに関してはフロントチャイルドシートの装着は避けた方がよいでしょう。
小柄な方なら、足が当たらないかもしれませんが、小柄ということはフレームをまたぐのも大変になってしまうので、フレーム以外が同じ構成のビッケ モブddのほうがまたぎやすく、日々の使い勝手は良くなるでしょう。
男性でもまたぐときに足を伸ばしながら、サドルの後ろに回して乗ることに慣れている方は、後ろにチャイルドシートがありそれができないので、ひざを上に上げてまたぐ必要があります。本形状のフレームだと上側のフレームに足が当たりやすい人もいると思いますので確認が必要でしょう。
また、念のためお伝えしておきますが、本モデル搭載のデュアルドライブは、名称から二つモーターがあると思っている方も、もしかしたらいるかもしれません。実際は、前輪は、電気の力で、後輪は足の力で車輪を動かすという意味でのデュアルドライブ(両輪駆動)となります。
このデュアルドライブのメリットは、”ブレーキをアシスト”する部分にあります。モーターが前にあることで、下り坂で自動車のエンジンブレーキのように回転と逆方向の力を加えることができるようになっています。
子供を安全に目的地へ送り届けることが子供乗せモデルの一番求められることですので、この”ブレーキをアシスト”という部分は急な下り坂を降りる方にはメリットになります。(下り坂が多い環境の場合、下り坂回生充電機能の制動力を”強”にすることになります。(出荷状態は”弱”のため。))
また、その逆方向の力を利用して充電する回生充電は、付随してくるプラスのメリットと考えると良いでしょう。(安全が一番のためです。)
アシストにも違和感はなく、ハンドルを左右に振るような取り回しも通常の用途ならば違和感はありませんでした。
また、カーボンベルトも違和感はなく、むしろ金属チェーンのように外れない、メンテナンスがほぼいらないということでメリットも多く、子供乗せ用途には適した機構です。
しかし、このデュアルドライブのデメリットは、駐輪場や自宅で前輪を持ち上げて乗せるタイプのスタンドを使う場合に出てきます。
前輪が重いため、てこの原理から前輪を持ち上げにくくなります。どれほどの重さかというと、ハンドルを持って持ち上げるのは、男性でなんとか、非力な女性では不可能になります。女性(電動まま 身長168cm 非力)にも試してもらいましたが、持ち上げられませんでした。
特に小柄な女性だとハンドルを持つ手がより上の方になるので、そこから持ち上げるように力をかけるのは困難になってきます。前輪を持ち上げて駐輪するタイプのスタンドを日々利用する場合や、使う可能性の高い方は、購入前にチェックしてみましょう。(一瞬でも持ち上げれれば、駐輪はできると思いますので。)
「ママにもパパにもフィットする」というコンセプトはすばらしいのですが、やや中途半端な印象があるのは避けられません。
ビッケ モブ dd
2017年モデル ビッケ モブ eは、2018年モデルでは、ビッケ モブ ddとビッケ モブ eの二つのバリエーションに分かれます。(2018年10月より)
ビッケ モブ ddは大きく変更があり、ビッケ グリddと同様にブリヂストン独自の提案が導入されました。
<ブリヂストン独自の提案>
1.前の車輪が24インチ後ろが20インチ
前の車輪が大きいので段差に強く、後ろは小さく、荷台が低くなるので子供をのせやすいというタイヤサイズ構成。(ヤマハやパナソニックではない構成)
2.デュアルドライブ(回生充電)+カーボンベルト
バッテリー持ち時間の向上と坂道でのブレーキアシスト。(ヤマハやパナソニックではない構成)
「子育てにも、両輪駆動! ママにうれしい、またぎやすい一台」という女性を意識したキャッチフレーズとなっています。
ビッケ モブ 2017年モデルと2018モデルの主な違い
2017年モデルから比べ、バッテリー容量が上がったことと、デュアルドライブ(+カーボンベルト)になったことで、値段はプラス1万円と大幅に価格アップしています。
メーターはシンプル化され、デザインはすっきりとしたものになっています。速度表示はなくなりましたが、子供乗せモデルでは優先度が上がらないでしょうか。
コンセプト通りフレーム形状が通常のママチャリの形状でまたぎやすくなっており、ビッケ グリ ddとの大きな違いはこの部分になります。
その他車体の重さはビッケモブ ddはビッケグリ dd より1.2kgほど重くなっています。
モデル | ビッケグリ dd | ビッケモブ dd |
重量 | 33.0kg | 34.2kg |
走行性能は、フレーム形状、重量からビッケグリ ddの方が高いと言えますが、子供乗せタイプの用途からすると、子供を乗せてから走り始める時の”またぎやすさ”の優先度が高い方もかなり多いと思いますので、ビッケモブ ddの存在価値もあります。
デメリットは、やはりビッケグリ ddと同様に、フロントチャイルドシート装着だと足がひっかかることと、デュアルドライブによる前輪の重さです。
当然ながら、身長や筋力によって問題ない場合もあるかもしれませんが、どうしても人それぞれの部分があるので確かめてみることをおすすめします。
ビッケ モブ e
ビッケ モブ eは、2017年モデルの継続となっており、2018年モデルは、カラーバリエーションが少なくなっています。前後の車輪の大きさは同じ20インチで、駆動は一般的なセンタードライブとなっています。
これにより、前輪の重さはビッケモブ ddよりは感じにくいでしょう。駐輪場で前輪をもちあげて乗せるスタンドを利用する機会が多い方は、こちらのモデルも確かめてみてください。
ビッケ ポーラー e
2017年モデルから2018年モデルへと変わります(2018年11月より)。
「シリーズ最高の安定感。お子さまを乗せての運転が不安な方、小柄な方にオススメの一台」というキャッチフレーズとなっています。
他のシリーズと異なり、フロントチャイルドシートが標準装着となっています。また、新フレームでサドルの高さが更に低くできるようになり、より小柄な方も乗れるようになっています。(136cmからを想定)
<ビッケ ポーラー 2017年モデルと2018モデルの主な違い>
2017年モデルと比べ、価格は5,000円アップされています。ただ、バッテリー容量は軽量化を重視しややダウンしています。
メーターは、下記の液晶スイッチが使われ、残り走行時間が表示されます。
よくなった点としては、新フレームにより、サドル最低地上高が3cm引くなったことでより小柄な方も乗れるようになったことと、本体重量が1.3kgほど軽くなり取り回しが楽になったことです。
本モデルは試乗会において一番人気がありませんでした。(待ち時間がなかった。)ブリヂストン独自の提案の採用がなかったからかもしれません。
しかしながら、
フロントチャイルドシート標準装着モデルだけあって、
足がほとんど当たらない!メリットがあります。
小柄な女性から標準的な背の女性なら走行するのにも、足が当たることはないでしょう。
まずは、足が当たらずにこげ、電動アシストで一定の速度まですぐに上げることでふらつきを抑える、、、といった本来の電動アシストによるメリットを最大限に出せるのはこのモデルと言えるでしょう。(フロントチャイルドシート装着車で比較の場合)
よって、前に子供を乗せたい方、3人乗りを検討されている方はこのモデルを是非ためしてみてください。
男性でも、サドルを調整すれば足元のこぐ動作は、他のシリーズと比べてかなり楽になるはずです。
更に、フロントチャイルドシートをとって、専用BRKTをつければ大型バスケットが装着できるようになりました。子供が大きくなれば、 フロントチャイルドシートを取り外し、大容量の買い物マシンにしてもよいのではないでしょうか?
下記はフロント用取り付けブラケット、フロントバスケット、リヤバスケットをオプションで装着したものです。
元々ハンドルの軸中心の近くに子供を乗せられる構造なので、フロントのバスケットに物を入れてもブレが極力抑えられるメリットがあります。
ハイデイツー
2017年モデルから、2018年モデルへと変更となりました。(2017年8月より)
他の低重心モデルと異なり、前後26インチタイヤの定番モデルです。
リムやスポークなど一部部品が変更となったことにより、本体重量が30kgを切っています。
このモデルは、フロントチャイルドシートを装着した状態でも、ポーラーeに続いて足が当たりにくいモデルでした。
よって、身長が標準的な方以上なら使いやすいモデルとなるでしょう。
「VERY」というファッション雑誌でデザインにもこだわったモデルですので、子供が大きくなったら、チャイルドシートを外し通勤用自転車にも違和感なく使えるデザインでしょう。
強いて言えば、メーターがカラフルなボタン配置で自転車のデザインとやや合っていないので、自転車のデザインに合わせ液晶表示にするなどこだわってほしかったところでしょうか。
まとめ
ブリヂストンの電動アシスト自転車の子供乗せモデルを試乗することで、カタログだけではわからない部分を、電動アシスト自転車の経験値から一般的と思われる観点を加えお伝えしてみました。
身長、手足の長さ、筋力、用途で向いてくるものが本当に変わってきます。更にパパ、ママ兼用だとすると、さらに条件が変わってくるでしょう。(大きいパパと小柄なママの組み合わせなど)
残念な書き方をしている部分も、人(又はご夫婦)によってはまったく問題ない部分もあるかもしれません。
大切なお子さんを乗せる物になるので、ネットのみの情報で判断してご購入されるのではなく、実際に試乗される事をおすすめします。
それが無理な環境でも、最低限実物を見ていただき、またいだり、ハンドルを握ってみたりと確かめて下さい。
ねらい
実際に試乗した情報と、電動アシスト自転車の経験値から、購入検討されている方へ、意図した物が購入できる情報を伝える。(気をつけなければならないポイント、チェックすべきポイントなどが見出せるように。)