ドイツ「BOSCH(ボッシュ)」の動き
ドイツ「BOSCH(ボッシュ)」は連結売上が779億ユーロ(約10兆円)の巨大企業です。「Panasonic(パナソニック)」の連結売上が約8兆円であることから、いかに大きいかがわかるでしょう。その「BOSCH(ボッシュ)」のドライブユニットを、世界第三位の自転車メーカーであるアメリカの「TREK(トレック)」が『Verve+(ヴァーブプラス)』に搭載して、日本に上陸しました。
<「TREK(トレック)」『Verve+(ヴァーブプラス)』>
その後続々と「BOSCH(ボッシュ)」のドライブユニット搭載車が登場しましたが、ドライブユニットは『Active Line Plus(アクティブ ライン プラス)』の1バリエーションのみでした。
しかし、とうとう電動マウンテンバイク(e-MTB)にも対応できる高性能ユニット、しかも新規開発品を投入することになりました。
『Performance Line CX(パフォーマンス ラインシーエックス)』です!
下表を参考にして頂きたいですが、海外展開の現行の『Performance Line CX(パフォーマンス ラインシーエックス)』に対しても、新モデルはかなり改良されています。
- 最大トルク75Nm ・・・これは変わらず(参考:シマノSTEPS:70Nm)
- 小型化 ・・・半減程
- 最大ケイデンス ・・・120以上(現行は120がmax)
- 軽量化 2.9kg・・・25%減
また、トルクウェイトレシオ(DENDO-ASSIST!独自計算)は、38.67と現行で国内最高性能値の「YAMAHA(ヤマハ)」『PW-X』の38.75を凌ぐ値になります。
国内モデルユニット、トルクウェイトレシオ(DENDO-ASSIST!独自計算)に関しては、こちらを参照下さい。
その他に関しては、予測になりますが、
アシストの味付け(マッピング)も大幅に変わっていて、より自然なペダリング感があるようですし、『Power Tube 625』もラインナップにあるので、国内最大容量625Wh(ママチャリ換算約25Ah相当)搭載車も日本国内に登場してもおかしくありません。(現行『Power Tube 500』の代わりにも使える軽量タイプの『Power Tube 400』も予定しています。)
<Power Tube625>
そして、「TREK(トレック)」と「SCOTT(スコット)」が電動マウンテンバイク(e-MTB)にこのユニットを搭載して国内へ投入することになります。「SCOTT(スコット)」は、ロードバイクでは誰もが知るブランドですが、国内イーバイク初参戦となります。
ドイツ「BOSCH(ボッシュ)」の組織変更
「BOSCH(ボッシュ)」は、イーバイクに関してもかなり力をいれていることがわかります。やはり、欧州でのイーバイクブーム、日本も含めたその他地域の将来性から、必然的にそうなったことでしょう。イーバイクに関しては今まではスタートアップという新規事業的な位置づけでいましたが、下図のように事業部として組織が格上げされています。
〈ボッシュ組織図〉
企業としてイーバイクに力を入れ始めているかおわかり頂けることと思います。
また、自動車の自動運転技術、コネクテッドの思想からも、イーバイクに関しても同様な投資が行われ、他との差別化を図っていく戦略を今後もとっていくことでしょう。今後も目が離せません。
ライバルの動向
もちろんライバルも、手をこまねいて見ているというわけではありません。下図のように海外では高性能のドライブユニットを各社準備しています。(販売中と予定の物が存在します。)ミッドドライブ(ペダルのところにドライブユニットがある。)のパワータイプ(重くてトルク重視。)と、高性能バランスタイプ(軽量でトルクが高い)を記載しています。軽量小型タイプ(e-Roadで使われているもの)は、こちらを参照下さい。
<ミッドドライブモーター一覧(海外で販売及び販売予定の物(※))>
※日本国内で現時点(2019/6月)で販売されているものは除いてあります。
ドイツ「BOSCH(ボッシュ)」のライバルとすると、シェアを延ばしている同じくドイツの「Brose(ブローゼ)」、日本企業では「NIDEC(ニデック)」、「Panasonic」、中国企業では「BAFANG(バーファン)」となるでしょうか。これらのメーカーでも高トルクな物を開発しています。わかっているだけでこれだけあるのですから、まだまだ他のメーカーも新ドライブユニットは開発しているでしょうし、「YAMAHA」、「Shimano」も開発を進めているのは容易に予測できますね。
本当にたくさんのメーカーが参戦してますね!
まとめ
ドイツ「BOSCH(ボッシュ)」の新ドライブユニット投入と、組織、ライバル社動向に関して簡潔にお伝えしましたが、ドイツ「BOSCH(ボッシュ)」が、日本上陸後制圧(シェアを上げる)ができるかはライバル社の動向に大きく関わってくるでしょう。イーバイクを持っている方も、次に手にいれるものとして注目されるとよいのではないでしょうか。