でも、自分の安全にも関わるものなので、チェックは必要ですね!
はじめに
自転車は走行中に破損すると大事故につながる危険があるので、
耐久性がある安全なもの
でなければ安心できませんよね。
また、一般的に売られている電動アシスト自転車の常識で判断して、
購入した後に、
”そんなはずではなかった! 知らなかった!”
ということがないように、
安い自転車でも使える
「安心見極めチェックリスト」を作ってみました。
電動アシスト自転車安心見極めチェックリスト
ネット、店頭、カタログ等で気になる電動アシスト自転車をみつけたら、
下記表にそって、チェックしてみてください。
安心感側に○が付けば検討しても良い自転車になるでしょう。
安心見極めチェックリスト(PDFはこちら)
例として、3大メーカーの一つパナソニックの
電動アシスト自転車ママチャリタイプ
「ビビ・DX」
を、イオンバイクで購入するなどを想定してみました。
かなりの項目が、安心感側にあるのがわかります。
それでは、各表のチェック項目を解説していきます。
(2画面だと表示が小さくなる方は印刷するなどして下記解説を参照下さい。)
1.自転車種類
フル電動自転車や、モペッドと言われる、
ペダルがついたオートバイ(スクーター)
は、そのままでは公道が走れません。(※)
ペダルをこがなくても進むことができるアクセル(スロットル)があることが、
電動アシスト自転車と異なる部分です。
この種類の自転車は、安全基準等定める団体などもなく、安心という意味では
避けたほうが良いでしょう。
(※)原動機付自転車としてナンバープレートをとるため、バックミラーや、ライトなどを保安基準に合わせて改造して取り付けて申請するなど手続きが必要です。また、原動機付き自転車なので自賠責保険に加入が必要で、乗車時ヘルメットも必要になります。
2.型式認定 TSマーク
このTSマークというものが取得されていれば、
国に認められた機関で認定された(※)自転車
という証明になります。
認定にあたっては
・基本の品質確認の試験結果の提出
・完全な日本語でのマニュアル提出
などが必要になるので、
メーカーとして安全などに一定の労力をかけていることになるとは言えます。
緑のTSマーク(基準適合TSマーク)が目印です。
このマークがなくても電動アシストの基準を満たせば
違法ではない
のですが、取得している方が安心なのはおわかり頂けると思います。
他に、赤、青のTSマークもありますが、これらは、
購入後指定の店で整備をしたことを示すものです。
※国家公安委員会から認定された公益財団法人 日本交通管理技術協会が型式認定を行っています。
3.PL(ピーエル)保険
PL法という法律があって、
製品に欠陥があって我々ユーザーがケガをした時に、そのメーカーを訴えることができます。
そのメーカーがPL保険に入っていれば、訴えられたとき
その保険からお金が支払われることになります。
万が一体力がないメーカーや店舗でも
保険に入っているので金額が大きくてもユーザーにはきちんとお金が支払われますよ!
ということです。
でもよくよく考えると、
我々ユーザーが欠陥でケガをした時ですよ!
それでは遅い!
そもそも欠陥が無いようにする事に力をかけるべきが本来ですよね。
なので自転車自体の安全性に気を配っていなく、
もしこの保険のみが書かれている場合は注意です。
もちろん入っていないところよりは、目を向けてお金をかけているので評価はできますが、これのみでは安心できません。
最低でも、型式認定とセットである必要があります。
4.安全マーク
マーク交付団体が複数あるのは、消費者にはわかりにくいものの、
安全を目指して取り組みがなされているという面では変わらないため、
これらのマークのいずれかがあれば無い物より、かなり安心感はでます。
電動アシスト三大メーカーの
パナソニック、ヤマハ、ブリヂストンは、BAAマークを採用しているので、
BAAが代表的な安全マークといえるでしょう。
独自の安全基準で約90ヶ所の検査項目を通っていることになります。
更に、パナソニックはBAA基準より厳しい社内基準があります。
強度試験などでは、破壊されるまで負荷をかけて試験を行っています。
BAA基準よりはるかに上のデータがでることも多いとのこと。
5.信頼度
・フェスティバル出展
試乗会やフェスティバルへの出展をしているメーカーは信頼度が高くなります。
きちんと説明する場を設ける姿勢があることや、
フェスティバルの「サイクルモード」では、
型式認定の取得をしていないと試乗車として認められない
からになります。
知らない自転車メーカーの場合、フェスティバルに出展しているかも調べてみましょう。
・ISO9001認証取得
ISO9001認証取得している工場での生産品も安心感が出ます。
ISO9001は、
製品を納入するための手順や役割分担、トラブル発生時の対処方などの
文書化できているか監査を受けて取得できる規格です。
この規格を取得するのに企業体力も必要ですし、品質への配慮も高いと言えるでしょう。
もちろん、間に合わせで実用でない監査用の文章を作っている部分もある可能性はありますが、それも含め体系化された文書化が備わっていると言えます。
自社内の監査で事前のチェックを行い、さらに正規の監査を通っていることにはなるので、一定の安心感があると言えるでしょう。
パナソニックではISO9001の他に環境マネジメントシステムのISO140001も取得しています。
6.サービス体制
・メーカー保証、ショップ保証
保証が明記されているか?
明記されているとしたら、何年か?(当然長い方が良いです。)
海外からのメーカーだと自転車自体には問題がなくても、この部分が弱いところはまだ多いのではないでしょうか。
メーカー保証があるかどうか?
フレーム○年、ユニット○年、バッテリー○年など
メーカー保証の年数は、品質水準が高くないと出せない数字ですから、品質保証の度合いを表しているといえます。
ショップの保証があるかどうか?
ショップで○年保証などがあるかどうか?
ショップの保証年数は、ショップの姿勢や整備の信頼度を表すでしょう。
また、転倒などで転んだり、自分で壊してしまったときのパーツも入手が可能か?
どれぐらいの納期かわかるのか?
なども長く乗ると把握しておきたいポイントになりますね。
3大メーカーは、各社同等の保証期間になっており、基本部品に関しては保証期間が3年と長くなっています。
<3大メーカー保証年数>
保証部品 | パナソニック | ヤマハ | ブリヂストン |
ドライブユニット | 3年 | 3年 | 3年 |
バッテリー | 2年(※) | 2年(※) | 2年 |
フレーム | 3年 | 3年 | 3年 |
フロントフォーク | 3年 | 3年 | 3年 |
充電器 | 1年 | 1年 | 1年 |
その他部品 | 1年 | 1年 | 1年 |
※パナソニックとヤマハ(YPJ除く)は、バッテリー1年延長キャンペーン中(2年=>3年へ)
・取り扱い説明書WEB上公開
3大メーカーはWEB上で取り扱い説明書がダウンロードできるようになっており、利便性が高くなっています。
・パーツカタログWEB上公開
ヤマハはパーツカタログをWEB上で公開しており、
部品代金(修理の技術料は含まず)と在庫があるかないかをチェック
できるようになっており、
いつでもすぐにチェックできるという安心感があります。
7.本体重量
電動アシスト自転車のタイプ別の重量を目安として、
安心見極めチェックリストに記載しています。
目安に対してかなり重いと、バッテリー自体が重かったり、
”モペッド”や”フル電動”と言われるそのままだと公道を走れない自転車
の可能性があります。
自転車の強度を上げる為に重くなっているならまだ良いのですが、
実情はそうでない可能性もあります。
手に入れ方として、おすすめはできないですが、
より安価に手に入れる為に、
中古やオークションなど
で手に入れる必要がある場合には特に注意が必要です。
また、キャリア、チャイルドシートなど
元々重量物がたくさん装着されていて重い場合にはこの限りではありません。
8.バッテリー
・バッテリー種類
下記のバッテリー種類の特性の比較表からもわかるように、
メーカー側からの観点で
電動アシスト自転車を安価に作るには、バッテリーを鉛にする方法があります。
ただ、特に重量が重くなります。
昨今は減りましたが、
以前は大きなバッテリーを積んだフル電動などもあり、
”こんなに重いの?”
というような物も存在しました。
12Ahバッテリー容量で
鉛だと、8kg程度ですが、
リチウムだと3kg以下になります。
逆に価格は、
鉛1万円台に対し、
リチウムだと3万円台になります。
【 比 較 表 】
比較項目 | 鉛蓄 電池 | ニッカド 電池 | ニッケル 水素 電池 | リチウム イオン 電池 |
---|---|---|---|---|
サイズ | ×× | × | ○ | ○ |
重量 | ×× | × | × | ○ |
メモリー効果 | ○ | × | △ | ○ |
大電流放電 | ○ | ○ | △ | ×→△ |
コスト | ○○ | △ | △ | × |
環境性 | × | × | ○ | ○ |
○○:特に優れる ○:優れる △:平均的 ×:劣る ××:特に劣る
・バッテリー容量
電動アシスト自転車を安価にするには、バッテリーの容量を抑える方法があります。
人それぞれ利用頻度が違うので、一概には言えないのですが、3大メーカーがどのぐらいの容量のバッテリーを積んでいるかを参考にしていただきたいと思います。
3大メーカーは12Ah-16Ahが主流になっています。
充電をするのをこまめにすれば良いだけと割り切れる人は良いですが、充電頻度を下げたい、遠出や、坂にも使いたいという方は容量を気にしておいたほうが良いでしょう。
<三大メーカーバッテリー容量 容量別ラインナップ数(カタログより)>
上記表は、例えばYAMAHAの場合、電動アシスト自転車のカタログには、
全部で22モデルあり、そのうち16モデル(73%)が
この12Ah付近の容量のバッテリーを採用しているというように見て下さい。
また、走れる目安はかなり粗く10km単位にしています。
本体重量、道路勾配など条件によって大きく変わってきます。
9.ディスプレイ
電動アシスト自転車の電源オンオフ、バッテリー残量の最低限必要な表示がされるとして、
デジタル表示が欲しかったり、
それ以外の速度表示などが必要ないか? デザイン性は問題ないか?
などチェックしておきましょう。
安価な自転車の場合は最低限必要な表示になることが多いです。
10.変速機(コンポ)
シマノ製採用とアピールしているかのように見えるものもありますが、
変速機関連はほぼシマノの独占状態なので、安心感という視点からのアピールポイントにはなりません。
変速段数を把握するぐらいにしておきましょう。
11.口コミ
口コミも多数のユーザーの声を確認すれば、良いほうの意見なのか、悪いほうの意見なのかは読み取ることができるでしょう。
詳しくない方が比較をされずに書かれている場合もあるので、個人の意見として受け止めましょう。
チェックリストでわからない部分
カタログやWEB上だけでは判断できない、
アシストフィーリング、乗った姿勢、スイッチ操作性などは
試乗しないとわからない部分があります。
また、実際の質感や色味も実物を見なければイメージと違う可能性もあります。
特に気をつけたいのはアシストフィーリングで、
昨今は各社良くなっていますが、以前のものだと、タイムラグがあるものもありました。
中古やネットオークション、試乗できない自転車は、リスクを負うことにはなります。
まとめ
安い自転車を見つけても飛びつく前に、
上記に解説した項目をチェックしておき、
安全安心の確保及び自分の意図した自転車を手に入れるようにしていただけたらと思います。
安価でも、安価になる部分がわかって購入するのと、しないのでは大きな差があります。
はじめての方だと気づきにくいポイントや、
三大メーカーがどう対応しているかなどを参考できるように記載してみました。
役に立てたら幸いです!